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最低賃金アップで働き損に?扶養の範囲で働く方が知っておきたい6つの「年収の壁」

2023年3月2日

令和4年10月より全国で最低賃金(時給額)が上がりました。
静岡県の最低賃金は全国で9番目に高い944円です。また、業種によっては時給が944円より高くなる場合もあります。

画像引用元:厚生労働省静岡労働局「静岡県の最低賃金(令和4年度)」(PDF)
https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/content/contents/r4_toku_lead.pdf

静岡市でも最低賃金がアップしたのはうれしい話ですよね♪

でも、最低賃金が上がると扶養の範囲で働く方が困るケースが出てきています。これまでと同じ時間働くと年収が扶養の範囲を超え、手取り年収が大きく減って「働き損」になる方が出てくるからです。

「働き損」になるかどうかのボーダーラインとして知られているのが「103万円の壁」ですが、実は「〇万円の壁」と呼ばれる「年収の壁」は6つあることをご存じでしょうか?

  1. 100万円の壁
  2. 103万円の壁
  3. 106万円の壁
  4. 130万円の壁
  5. 150万円の壁
  6. 210万円の壁

そこでこの記事では、静岡市内で働く方がぜひ知っておきたい6つの「年収の壁」についてわかりやすく説明します。

■「100万円の壁」を超えると「住民税」が給料から引かれる

国税庁によれば、多くの自治体では「年収が100万円以下なら住民税がかからない」そうです。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm

参考:国税庁「家族と税」

ただ、住民税がかかる年収は自治体によって違うので、必ずお住まいの自治体で確認してください。

たとえば、静岡市の場合は年収96万円の方は住民税額0円ですが、年収97万円の方には年額5,400円の住民税が発生します。

※上記の住民税額は静岡市の「住民税試算システム」で算出しましたが、実際の住民税額とは異なる場合があります。
https://jscloud.sunnet.co.jp/shizuoka_R5/

https://jscloud.sunnet.co.jp/shizuoka_R5/
画像引用元:静岡市「住民税試算システム」

静岡市では年収100万円未満でも住民税がかかるんですね……

■「103万円の壁」を超えると所得税が給料から引かれる

「103万円の壁」を越えると、給料から住民税と所得税(+復興特別所得税)が給料から引かれます。

●静岡市で年収105万円だと手取り年収は約1万1,000円ダウン

たとえば、年収105万円の方は、2万円の年間所得に1,000円の所得税(+復興特別所得税)がかかります。

また、静岡市は年収105万円の住民税が9,900円ですから、「所得税+住民税」の合計は年額で約1万1,000円となります。

※住民税は静岡市「住民税試算システム」で計算
https://jscloud.sunnet.co.jp/shizuoka_R5/ 

ただ、それでも手取り年収として約103万9,000円が手元に残りますから、多少税金が引かれてもOKであれば年収100万円を超えてもよさそうですね♪

●「103万円の壁」を超えると配偶者控除がゼロに……

ちなみに、「103万円の壁」を超えると、扶養の範囲で働く方の夫や妻の「配偶者控除」がゼロになります。

<配偶者控除の適用範囲>

画像引用元:国税庁「配偶者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm

ただ、その場合でも夫や妻が「配偶者特別控除」を受けられるケースは多いので、そこはあまり気にする必要がなさそうです。

「106万円の壁」or「130万円の壁」を超えると給料から社会保険料が引かれる

ただし、「106万円の壁」と「130万円の壁」には大きな注意が必要です。

参考:日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html

年収が106万円または130万円を超えると、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が給料から天引きされます。その結果、扶養の範囲で働いていた頃より手取り収入が大きく減って「働き損」になる方が多数出てきます。

その一例として、多くの方が対象となる「106万円の壁」を超えた時に起こることをお話しします。

●静岡市で「年収106万円」の方は手取り年収が約11万円減る

年収106万円(月収8万8,000円)の方は、給料から引かれる税金や社会保険料の年額が約11万円になります。

すると手取り年収が100万円を割って約95万1,000円になってしまいます。これはかなり大きな収入ダウンですね……

※以下のリンクを参考に社会保険料・所得税・住民税を算出していますが、実際にかかる税額や社会保険料額は上の金額と異なる場合があります。
社会保険料:協会けんぽ「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(静岡県)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r5/ippan/r50222shizuoka.pdf 

所得税:国税庁「No.2260 所得税の税率」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

ただ、社会保険に加入すると将来受け取る年金が増え、健康保険の傷病手当金や出産手当金などが出て休業中もお金の心配をせずに休めます。
その点は非常に大きなメリットになるので、年収106万円を超えそうなら扶養を抜けて働くことを検討した方がいいかもしれませんね。

■「150万円の壁」「210万円の壁」は配偶者特別控除に大きな影響がある

「150万円の壁」「210万円の壁」は扶養で働く方の夫や妻の配偶者特別控除に影響がある「年収の壁」です。

<配偶者特別控除額>

画像引用元:国税庁「家族と税」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm

●「150万円の壁」とは?

扶養の範囲で働く方の年収が「150万円の壁」を超えると、配偶者特別控除が満額(38万円)からだんだん減っていきます。

●「210万円の壁」とは?

配偶者特別控除がゼロになる年収です。

150万円と210万円の壁は扶養の範囲で働く方の収入に直接の関係はありません。ただ、世帯年収には大きな影響があるのでこれらの「年収の壁」も意識しましょう!

「働き損」を避けるために「年収の壁」への理解を深めよう!

これからも扶養の範囲で働きたい方は、6つの「年収の壁」を意識しながら勤務時間をど調整しましょう。それによって「働き損」になるのを避けられます。

また、扶養を抜けて働きたい方は、年収の壁を超えて働くメリット・デメリットを理解した上で勤務時間を増やしましょう。それによって自分の年収も世帯年収もアップします。

今後どんな働き方を選んでも、6つの「年収の壁」を理解していれば納得のいく働き方ができる可能性大!この記事を参考に、ぜひ「年収の壁」への理解を深めましょう!

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